2021/04/25 01:41




1ヶ月1000円で何万の曲を聴くことができる時代。かつてジャケットのイラストだけで選んだ1枚3000円のCDを購入し、聴いてみてひどく後悔することも今ではもうない。そんな今、音楽をただ「浴びる」だけになっていないだろうか。最初はピンと来なかった曲も、聴いていくうちに好きになる高揚感。そんな自分の好きな音楽を「探す」ことがなくなってきてるのではないか。


私が滞在していたワシントン州シアトルでは、音楽を「浴びる」のではなく「探す」ことができるコミュニティや場所があったと思う。偶然目に入ったレコードショップに立ち寄り、何となく店員さんと話して、おすすめのレコードを買ってみる。他にも毎週バンドの演奏がある音楽バーや、定期的に行われるジャズフェスティバルなど、まさにシアトルは音楽を「探す遊び」ができる街だと思う。


今回のジャーナルでは、ワシントン州シアトル近郊で、音楽と関われるスポットを紹介したい。その土地でしかできない音楽との関わり方、そして音楽を「探せる」場所・イベントなどを伝えられたらと思う。


(Photo By Sailor Productions)



シアトルで音楽を「探す」

Apr. 25 2021 by Taichi Osaki



■ライブハウス


シアトルには生演奏を楽しめるライブハウスやバーが数多く存在し、毎日のようにライブが開催されている。事前にチケットを購入する必要のある場合もあるが、飛び入りで参加できるライブも多々ある。新しい音楽との出会いの場としては、もってこいの空間だろう。


1. The Crocodile/クロコダイル・カフェ


    (Photo By The Seattle Times)


シアトルでも特に有名なライブハウスとして知られる、クロコダイル・カフェ。ここではかつてNirvanaのライブも行われており、グランジロックの発展とともに成長してきたライブハウスだ。他にもPearl JamやMudhoney、Death Cab for Cutieなどのバンドもここでライブを行い、巣立っていった。併設している“Back Bar”では、ピザなどの軽食を提供しており、ライブがない時でも利用することができる。(※現在店舗移転中。2021年に移転完了予定。)



2. Showbox/ショーボックス


   (Photo By Seattle Magazine)


1939年にオープンした老舗のライブハウス。パイクプレイスマーケット近くにあるこのライブハウスでは、ジャズやポップス、グランジなど様々なジャンルの音楽を楽しむことができる。規模としては大きくないものの、客席からステージまでの距離が近いことが好評で、今でも多くの人を集めている。



3. Neumos/ニューモス



1992年、グランジ時代にMoe‘s Mo‘Roc‘N Cafeとしてオープンしたライブハウス。シアトルのカルチャーの発信地キャピトル・ヒルに位置し、今日でも地域のカルチャーを育んでいる。これまでにThe Shins、Muse、Vampire  Weekendなどのライブを開催している、非常にアツいスポットだ。ライブハウスの前にはホットドッグの出店があり、ライブ後の疲れた体を癒してくれる。



■レコードショップ


特価品のレコード漁り、良い音楽と出会う瞬間は格別だろう。シアトルにはまだまだレコードを扱うショップが残っており、安価なものを手軽に買うことができる。


そしてレコードショップの最大のメリットは、店員さんがいるということ。最初は勇気がいるかもしれないが、思い切って店員さんにおすすめのレコードを聞いてみるのもいいかもしれない。


1. Everyday Music/エブリデイミュージック


    (Photo By The Seattle Times)


シアトルのレコードショップでまず押さえたいのがここ、エブリデイミュージックだ。天井が高く開放的な店内には、大量のレコード、CDが並べられていて、ジャンルの充実具合も申し分ない。値段もピンキリで、安いものだと50セントのものも。シアトルに行く際には必ず立ち寄りたいお店だ。



2. Rainy Day Records/レイニーデイ・レコード


    (Photo By ThurstonTalk)


シアトルから少し南に位置する、ワシントン州の州都オリンピアにあるレコードショップ。店舗は非常に小さいものの、地域住民から長年愛され続けているショップだ。ヒッピー文化が色濃く残るオリンピアならではの品揃えで、かなり個性的な音楽がフィーチャーされている。



3. Sub Pop Records/サブポップ・レコード


                    (Photo By GeekWire)


シアトルにあるインディペンデント・レコードレーベルSub Popが展開するレコードショップ。シアトル・タコマ国際空港内にも店舗が存在しているが、今年2月にサウス・レイクユニオンの新店舗がオープンとなった。サブポップ・レコードのレコードやCD、音楽グッズを購入することができる。



■その他


KEXP 90.3FM


   (Photo By University of Washington)


良い音楽と出会うには、ラジオほどいいツールはないのではないだろうか。シアトルのラジオ局KEXPは、Nirvanaの『Nevermind』を初めてオンエアしたラジオ局として知られており、現在でも「グッドミュージック」が毎日オンエアされている。ラジオ局の無料スタジオツアーもあり、ラジオ好き音楽好きにはたまらない体験ができるだろう。



                (Photo By KEXP)


また公開ライブ「Live on KEXP」はYouTubeでかなり再生されており、根強い人気を獲得している。これからの「お家時間」にいつもと違ったエッセンスを加えてみてはいかがだろうか。



Ballard Jazz Festival



シアトルのバラードで毎年行われているジャズフェスティバル。開催拠点内にあるライブハウスや音楽バー、計10ヶ所でジャズが楽しめる。2日間開催され、最終日にはメインステージでの演奏が行われる。シアトルの音楽好きたちが集まり、お酒を片手に語り合う空間は、音楽歴も知識も関係なく全員が楽しめるものになっている。




これまで紹介してきたのはごく一部であり、シアトルには他にも沢山の音楽と関われる場所・コミュニティがある。是非シアトルに訪れた際には、その場所でしか出会えない音楽を探してみてはいかがだろうか。


最後に、Cascade Supplyは、私たちならではの様々なシチュエーションに合ったオリジナルプレイリスト【Cascade Jams】を、Spotifyにて公開しています。Spotifyをお持ちでない方は、毎週土曜日の朝にInstagramストーリーズで、セットリストはハイライトにて紹介していますので、是非チェックしてみてください!


Cascade Jams:

https://open.spotify.com/playlist/6W61A37wtVwmmh2RPrQsJw?si=eHNsPpZSQ-igCxd3uKEs_A


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